「GODZILLA 怪獣惑星」
クリエイター連載企画

03.
プロダクションデザイン:田中直哉さん、Ferdinando Patulliさん

第3回はプロダクションデザインの田中直哉さん、Ferdinando Patulliさんが登場です。

本作におけるお仕事を教えてください。

田中:
プロダクションデザインとは、監督と共にその映画の世界観を作る役割です。
具体的には、監督とのディスカッション又は指示によって、具体的なビジュアルを描き起こす事です。初期コンセプトアートや初期設定などを、世界観を伝えられるレベルまで描く必要があります。またそれを2Dで描くだけではなく、3DCADを使ったデザインモデル化し、CG制作のフローをスムーズにしています。

Patulli:
プロダクションデザイナーとしての私の仕事は、物語を視覚的に伝える為に監督と密接に連携し、映画内の要素の全体的なルックを開発することです。
世界観のデザインから始め、その後各セット及びプロップへと作業を進めました。
さらに、映画の重要なロケーションのムードを伝えるためのコンセプトアートの作成も担当しました。

担当から見た今回注力しているところを教えてください。

田中:
冒頭に地球に帰還するシーンに登場する、まったく変わってしまった植生。
その植生に支配されている地球に、ハルオたちが絶望する部分でしょうか。かつて自分たちが旅立った同じ地球であるはずなのに、ともすると人間達に牙を剥く。
すでに地球の支配者でなくなった人間達の葛藤が、舞台から伝わると思います。

Patulli:
デザインチームは特に、脚本家 虚淵玄さんによるゴジラの世界を監督のビジョンを通じて忠実に再現する事に力を入れました。映画にとっての正しいムードを定めるには、世界観のデザインをできる限り自然に見せることが非常に重要でした。ゴジラによって支配された地球が2万年後にどのような状態になっているのかを想像するのは大きな課題でしたが、同時に楽しい経験でもありました。

ゴジラへの思いを教えてください。

田中:
ゴジラは、日本が世界に誇るビッグタイトルの一つです。今回のアニメーション化に携われた事で、国内のみならず海外からどのような反応が来るのか楽しみです。

Patulli:
カナダで小学生だった頃からゴジラは知っていましたので、このプロジェクトに関われてとても嬉しいです。この作品で、ゴジラが世界中で多くの人を楽しませ、また尊敬を集めているのかに気付かされました。その為、その核となるイメージを裏切らないように努めました。

担当からみた見どころを教えてください。

田中:
全編に渡ってありますが……やはり人類の生き残りをかけた、ゴジラとの死闘がメインになると思います。ハルオの戦術が果たしてゴジラに通用するのか……。
手に汗握って展開を見守ってもらいたいです。

Patulli:
デザインの視点から言えば、人類の船および装置全てを可能な限り現実に基づいているようにしました。現代の技術的なトレンドや経済的制限をとりいれつつ、未来を予測して、宇宙へと向かう人類達の生活様式となり得るものを作り上げました。人類の船や装置が、皆さんが想像する未来のテクノロジーと共通しているか、注目していただけると面白いかと思います。

ファンに向けて一言お願いします。

田中:
CGアニメーションで実現化した、ゴジラと人類との生き残りをかけた壮大なヒューマンドラマです。迫力の映像と人としての苦悩と葛藤が、全編に溢れていますので、手に汗を握って観ていただけると幸いです。

Patulli:
過去の映画からの要素も、この三部作の映画に様々な部分に散りばめましたので、ゴジラファンの皆さんは楽しんでいただけるのではないかと思います。本作は確実に今までに無い形で語られるゴジラの物語です!!

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